低気圧に負けない「自分軸」の作り方。だるい体を内側からリブートする呼吸と姿勢

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その「だるさ」は、身体が真面目な証拠

以前の記事で、低気圧によって「体内の海(体液)」が揺れ、内耳のセンサーがそれを察知し、自律神経がフル稼働で調整しているメカニズムについてお伝えしました。

雨の日や低気圧の日にやる気が起きないのは、
心が弱いからではありません。

内耳は、身体の中の「水平器」のような役割をしています。
気圧が下がると体液のバランスが微妙に変わり、その変化を脳へ伝えます。

すると脳幹は、「身体を守るために少し活動を抑えよう」
と判断し、自律神経を調整します。

つまり、だるさは身体が真面目に環境へ対応している証拠なのです。

けれど、

・仕事に集中したい
・ぼんやりした意識を切り替えたい
・今すぐ体を動かしたい

そんな場面もありますよね。

そんなときは、重い体を引きずるのではなく、
呼吸と姿勢の「物理的なスイッチ」を使って、
脳と身体を優しく再起動(リブート)してみましょう。

「自分軸」とは、身体の内側にできる支柱

ここでいう「自分軸」とは、精神論ではありません。

身体の内側に生まれる
圧と姿勢のバランスのことです。

呼吸によって胸郭が広がると、
身体の内側には小さな内圧が生まれます。

その圧を背骨が受け止めると、
身体の中心に一本の軸(支柱)が立ちます。

この状態になると

・呼吸が深くなる
・視線が自然に上がる
・脳が活動状態を認識する

という変化が起こります。

つまり「自分軸」とは、気持ちで頑張って作るものではなく、
呼吸と姿勢が作る身体の構造なのです。

環境は変えられない。でも身体の反応は変えられる

気圧そのものを変えることはできません。

けれど、身体の中には
環境に合わせて状態を調整するスイッチがあります。

その代表が呼吸と姿勢です。

呼吸は、自律神経へ直接影響できる
数少ない身体の仕組みです。

だからこそ、
環境の影響を受けた身体を
内側から整え直すことができます。

もし、
「なぜこの呼吸で身体のスイッチが入るのか」
もう少し背景を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

▶低気圧の日に身体が重くなる理由と、
私自身の体験から見えてきた
「呼吸のスイッチ」についてまとめています。

「夜の呼吸」から「昼の呼吸」へ切り替える

低気圧の日は、自律神経が休息モード(副交感神経優位)に引き込まれやすくなります。

これは、いわば
昼なのに身体が「夜の呼吸」をしている状態。
この状態を、
胸郭を広げる呼吸(胸郭呼吸)で昼のモードへ戻していきます。

▶1日の呼吸のリズムについて知りたい方はこちらの記事をお読みください

胸式呼吸が「やる気」を運んでくる理由

① 脳への酸素供給が増える

肋骨を大きく広げることで、肺の上部まで空気が入り、
脳へ新鮮な酸素が届きやすくなります。

② 交感神経へ適度な刺激が入る

肺の上部には交感神経と関わる受容体が多く、
胸郭が広がる呼吸は活動モードのスイッチをやさしく押します。

③ 体内圧のポンプが働く

低気圧の日は、体内の圧バランスもゆるみがちです。
呼吸で胸郭が動くことで、体液の循環ポンプが再び働きはじめます。


脳をポジティブに騙す「エマージェンシー・ポスチャー」

やる気が出ないとき、私たちの身体は自然に

・背中が丸まる
・視線が下がる
・胸が閉じる

という姿勢になります。

これは、脳が「活動を抑える状態」と判断しやすい姿勢です。
ここで使うのが
エマージェンシー・ポスチャー(緊急姿勢)。

感情が姿勢を作るのではなく、「姿勢が感情を作る」
という生理学的アプローチです。

やり方

胸の真ん中にある骨、胸骨
ほんの1センチだけ空へ向ける。それだけです。

すると

・呼吸が入りやすくなる
・視線が自然に上がる
・脳が「活動状態」と判断する

という変化が起こり、
意欲に関わる神経系が働き始めます。

【実践】1分でできる「集中力リブート・ワーク」

座ったままでも、立っていても大丈夫です。

STEP
スニッフィング呼吸(鼻から3回吸う)

鼻からシュッ、シュッ、シュッと3回に分けて吸います。
吸うたびに

・肋骨が横へ
・背中へ

広がる感覚を感じてください。

STEP
自分軸を立てる

吸いきったところで
胸骨を1センチ上へ。

背骨の中心に
一本の軸が立つ感覚を作ります。

STEP
細く長く吐く

口から

ふぅーーー

と長く吐きます。

体の中に溜まった
重たい空気や圧を外へ流すイメージです。

声のガイドで、もっと深く整える

「文字を読むのも疲れる」
「目を閉じて整えたい」

そんな方のために、

このワークを誘導する
音声ガイド『聴くピラティス|再集中リブート編』を用意しました。
▶なぜ音声が身体に気づきやすいのかを書いています。

1/fゆらぎの波の音とともに、
呼吸と姿勢を静かにナビゲートします。

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まとめ 自分軸は、呼吸で何度でも作り直せる

外の天気や気圧を変えることはできません。

けれど、
身体の内側の「圧」と「軸」は呼吸で整えることができます。

気圧に押し潰されるのではなく、
内側から静かに自分を膨らませる。

背骨の中心に小さな支柱を立てる。

そんな感覚が掴めると、
雨の日でも、身体はもう少し楽に動いてくれます。

体内の海が静かに凪ぎ、
あなたの今日が少し心地よいものになりますように。

もしよければ、

「呼吸を変えると、なぜ思考まで変わるのか」も併せて読んでみてください。
呼吸が脳に与える影響が、さらに見えてくるはずです。


プロフィール

自画像イラスト

櫻井 凛
ピラティスインストラクター

寝たきりから再起。呼吸と身体を再構築する伴走者として

65歳でギラン・バレー症候群を発症し、一時は寝たきりに。しかし、長年培ったピラティスと神経系の知見を自らに注ぎ込み、再び装具をつけて少し歩けるまで回復しました。

現在は「3年後に独歩」を目標に自ら身体を再構築しながら、40代からのしなやかな心身を作るために、呼吸を通して身体と会話しながら整える方法を発信しています。

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