クリティカルピラティスとは?普通のピラティスとの違い

目次

そもそも Clinical Pilates とは?

──リハビリの視点から生まれた、やさしいピラティス

Clinical Pilates は、リハビリテーションの考え方をもとにした、
とても静かでやさしいピラティスです。

大きく動いたり、難しい動作を目指すものではなく、
「身体がどんなふうに動きたがっているのか」 を丁寧に感じることを大切にします。

立っていると、どちらかの足に体重をかけてしまう。
肩に力が入りやすい。
呼吸がいつも浅い。

そんな小さな癖は、誰の身体にもあります。
Clinical Pilates はそれらの“癖”を責めるのではなく、
気づいて、やさしく整えていくためのアプローチ です。

🌱 オーストラリアで育まれた背景

Clinical Pilates が特に発展したのは オーストラリア です。
なぜなら、オーストラリアは理学療法(Physiotherapy)の教育レベルが高く、
「身体を正しく使えるように導く」という考え方が当たり前に根付いている国だから。

そこで、
治療(リハビリ)と運動のあいだを埋める方法としてピラティスが統合され、
“Clinical Pilates”という体系が生まれました。

APPI や Polestar Pilates といった教育機関もオーストラリアで広まり、
そこで学んだ理学療法士たちが、
呼吸・姿勢・深層筋を細かく見るピラティスの形を世界へ広げていきました。

日本ではまだあまり知られていませんが、
Clinical Pilates は世界では “身体の再教育” の方法として静かに広がっています。

私も、筋肉が動かなくなってしまう病気になってから、入院中色々なリハビリを行いましたが、そこに、ピラティスの動きがたくさんあり、ピラティスをやってて良かったと感じました。
時々「じゃ、一人でやっててね~」と自主トレをしたことも何度か・・・。

通常のピラティスとの違いはどこにある?

ポイントは「観察」「呼吸」「深層筋」

Clinical Pilates と通常のピラティスの違いは、
動きの大きさや難しさではありません。
違うのは 「どこを見て、何を整えようとしているか」 です。

① 強く動く前に「呼吸」と「身体の癖」を整える

まず行うのは、大きく動くことではなく
呼吸の深さや胸郭の動き、立ち方や背骨の並び を観察すること。

“土台”が整うだけで、動きは驚くほど変わります。

② 深層筋(コア)が自然に働く環境づくり

体幹を鍛えるのではなく、
本来働くべき深層筋が、無理なく働き始める状態 をつくります。

引き締める力よりも、
「ほどける」「支えられる」感覚を育てるイメージです。

③ リハビリの視点:身体は“正しく扱えば”必ず変わる

オーストラリアでの考え方の軸には、
“身体は学び直すことができる” という信念があります。

強く動かすより、
正しく動くほうが、身体は静かに、でも確かに整っていきます。

Clinical Pilates がもたらす3つのやさしい変化

① 浅い呼吸が深まり、胸のまわりがふわっと広がる

乱れた呼吸は、疲れやすさや肩こりの原因にもなります。
呼吸が深まると、胸のまわりの緊張がほどけ、気持ちまで静まります。

② 姿勢の軸が整い、日常の動きが軽くなる

背骨・肋骨・骨盤の動きが整うと、
“立つ・歩く・座る” といった何気ない動作が軽くなります。

③ 身体の“がんばりすぎている場所”に気づける

肩や腰がいつも疲れてしまう…
それはその部分が必要以上に働いていたサイン。

Clinical Pilates は、その負担をほぐし、
身体全体で支え合う動き を育てます。

なぜ Clinical Pilates は “少人数クラス” が向いているのか

Clinical Pilates は、
「自分の身体を丁寧に観察すること」が何より大切です。

そのため、
一人ひとりの呼吸・姿勢・癖を細かく見る必要があり、
少人数でのレッスンが最も力を発揮します。

  • 呼吸の深さ
  • 肋骨の動き
  • 骨盤の傾き
  • 足裏の重心
  • 動き始めの癖

これらは大人数では見落とされやすいポイント。

静かな空間で、
落ち着いて“自分の身体と向き合う時間”をつくることが、
Clinical Pilates の本質なのです。

自分と向き合いながら身体を整えたい人へ

少人数レッスンという選択

  • 姿勢を整えたい
  • 呼吸が浅い
  • 運動が得意ではない
  • 無理なく身体を整えたい
  • その日の体調に合わせたサポートがほしい

そんな方には、
Clinical Pilates を取り入れた少人数クラスがとても向いています。

一回ごとに、“小さな変化”を静かに感じられるはずです。

日本でも理学療法士などがピラティスを教える場所が増えてきています。
でも、近くにそういう場所が無ければ、パーソナルレッスンや、少人数制のレッスンを受講することを
お勧めします。

このサイトでは、やさしく動くピラティスも紹介しています。

自分で身体とゆっくり会話しながらピラティスをする方法も一つです。
家で始めるピラティスを体験してみてはいかがでしょうか。

姿勢や呼吸がうまくいかないのは、あなたの努力不足ではありません。
身体が安心して動ける条件が、まだ整っていないだけです。
まずは入口の記事から、呼吸と身体の土台を作り直してみてください。

さらに、私の声を聴きながら、少しの動きを取り入れた「聴くピラティス」というものを発信しています。
なぜ「聴くピラティス」かについてはこの記事をご覧ください。
「聴くピラティス」は公式LINEでお届けしています。

まとめ──Clinical Pilatesは、“本来のわたし”に戻る小さな時間

呼吸が深まると、心が落ち着いていく。
姿勢が整うと、日常の動きが軽やかになる。
身体の癖に気づくと、自分を大切に扱えるようになる。

Clinical Pilates は、
そんな “身体へのやさしい気づき” を育てるための手段 です。

オーストラリアで育まれたその考え方は、
静けさと誠実さを大切にする Inner Awaking の世界観と、とてもよく調和します。



▶ピラティスはリハビリから生まれたエクササイズ。自分の身体の癖に向き合ってみましょう。


プロフィール

自画像イラスト

櫻井 凛
ピラティスインストラクター

寝たきりから再起。呼吸と身体を再構築する伴走者として

65歳でギラン・バレー症候群を発症し、一時は寝たきりに。しかし、長年培ったピラティスと神経系の知見を自らに注ぎ込み、再び装具をつけて少し歩けるまで回復しました。

現在は「3年後に独歩」を目標に自ら身体を再構築しながら、40代からのしなやかな心身を作るために、呼吸を通して身体と会話しながら整える方法を発信しています。

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